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「僕は、いつでも構いません結婚するのは。あなたは……そうですね、20代で子供を一人産んでおきたいなら、十月十日を考えると、後がない。20歳からですよね? 0を保持されているのは。そこから8年間、他には一人も居なかった。あなたの第一条件である“イケメン”は。今、僕を逃して、また8年探しますか? “イケメン”を」
【おらんやろね。40なるな】
話に入ってきた0を睨む
コイツに目はないが。
「そういう解釈で、構いませんか? 」
「……気持ちがあるわけでは……」
ああ、たいした反論も出来ない。
「僕が一般的にイケメンかどうかは、知りません。だけど、あなたにとってイケメンなら、活用するまでです」
「イケメンが第一条件だった訳では。たまたま最初に言ってしまっただけで……結婚するには、遺伝子を考える上で多少は必要ですから」
白々しく、後付けの言い訳をする。
「対面では、条件の2番目以降に持ってくるらしいですよ、本当に譲れない条件は。体裁を気にしなくて良い0の前ではそれも必要ない。……つまり、それがあなたの本音でしょう? 」
「……。そうかも……しれません。けど、それだけでは……」
「これが“僕の顔”です」
「そうですね」
「また会って、頂けますね? 」
「……はい」
【あ、終わった? つか、名前ややこい。何とかならんか? 】
「それで、選んだくせに」
「僕の事は、実雅と」
「……はい」
「じゃあ、また連絡します雅実」
そう言って、最大の武器である顔面を私にギリギリまで近づけて、彼は微笑むとその場で解散となった。
顔もそうだし、不意に名前を呼び捨てにされたこともそうだし……くっそう。
だけど、この日も“N0”を出さなかった。
お互い……。
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