第1話 まさみ

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人口の減少、少子化。超高齢社会。 高度な科学技術(テクノロジー)に支配されているったって 大都市(ここ)で暮らしているとピンとこない。 人は多い。元気なお年寄りも、子供も。 ただ、自由でいて自由でない そんな矛盾に虚しさを感じながら、今日も目覚めた。 【今日の東京の天気は晴れ。降水確率57%……湿度……45% ランチにおすすめの店は このあたりですとお好みのイタリアンが数件。 運命の相手に出会える可能性は35%です】 今日も無機質なモノが情報を伝えてくる。 「何が、エリートよ。湿度より低いじゃん。ちゃんと探してんの? ゼロ」 【課題はあなたに】 無機質なそいつは言った。 バシッ 強めにワンタップすると 【ブィッシューン】 と、オフされ静かになった。 例えると、小ぶりなお茶の缶のフタみたいなヤツが本体だ。 まぁ、本体なんてあってないようなもんで…… どこへでも現れる。 まるで憑依するように。地球上にWi-Fiさえ飛んでいれば。 今や地球上では一種類しかない。野良Wi-Fiなんていない。 Wi-Fiすら、統一されている。
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