1261人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
──【お前も聞いたらええ。彼女に。それは、興味があるというアピールにもなる。ただ、聞く質問は気を使え!】
──【それは、視点がちゃう。知ろうとする。相手を。何に喜んで、何に怒って何を思うか。まぁ、そんなんの繰り返しやな。最終的に“彼女がお前と同じ気持ち”になるまで。や】
SS0の言葉を思い出し
「彼女の事を知ろうとした。それに、彼女へのアピールにもなるかと質問した。……なのに……物凄く辛くなってしまったではないか」
SS0に、そう恨み言を言った。
【あのなぁ、あほか】
「僕があほなら……」
【ああ、賢い、賢い。おベンキョーにおいては。『聞く質問は気を使え!』ゆーたやろ? つまり、聞かんでいい事を勝手に聞いて、勝手に嫉妬してるんや、わざわざ】
「嫉妬……?」
【厄介やなぁ、人間て】
「随分と、苦しいものだな」
【それも、人間の醍醐味やろ。俺にはない。今日、良いこともあったやろ?】
「ああ、そうだな」
彼女の一つ一つの行動が、言葉が
僕を一喜一憂させる。
笑顔一つがこんなにも幸せな気持ちにさせる。
同時にその笑顔が僕だけに向けられたならと
独占的な欲に支配される。
人間とは……実に厄介なものだ。
自分の感情に、自分でコントロールが出来ない。
これすらも人間である醍醐味なのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!