side 凪②

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side 凪②

みきちゃんから優希さんへ手紙が届いた。 優希さんはリビングで嬉しそうに読んでいる。 「凪ちゃーん、 次のティーパーティーにみきちゃん行くって。 凪ちゃんにみきちゃんへのお届けものを頼もうかな」 みきちゃん、ティーパーティー嫌いだったみたいなのにどういう心境の変化? 優希様、もちろんやらせていただきます。 オメガ中等学園のティーパーティーは、「お持ち帰られる」イベントとしてαの間で大人気だ。 その日は学園内の寮にαを連れ込める。 寮は個室で、音と匂いが漏れないようになっている。 隣の部屋でなにをしているか、わからない。 みきちゃんには、欲望を抱えたαが群がるだろう。 Ωとしては発情期を一緒に過ごす相手を探すという目的もある。 Ωに3か月に一度訪れる発情期で、 Ωはαと体を繋げることで、快楽に溺れる。 体を繋がないΩは、熱い体を抱えて、 苦しい日々を過ごす。 αにとっても、他に代えられない快楽が訪れる。 αのフェロモンで普段から比べられないほど性に奔放なΩの姿を見られる。 何度もねだられ、何度も組みしく。 それが心惹かれるΩなら、他のαには譲れない。 みきちゃんと発情期を過ごせたら、 どんなに幸せだろう。 恋焦がれていた優希さんの前で、 自分の気持ちがはっきり分かった。
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