8.夏休み

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今日は木嶋先生の「卒業後の生活」という単元の補習の日だ。 木嶋先生が来る前はαとの生活の話をしていたそうだが、 今は進路の話をしている。 「俺はこの学園を卒業した後、 看護学校に行って、養護教諭になった。 Ωでも入れる看護学校があったから パートナーの家から学校に行ってた。 αを利用するみたいだけど、 俺のパートナーは喜んでたな」 きっと木嶋先生のパートナーは木嶋先生に喜んで利用されていたんだろう。 「Ωだからって諦めることはない。 やりたいことがあったら、やってみればいい。 葉山くんは、夏のプログラムでお菓子作りに参加してたね。 例えば、調理師の学校もΩが入れるところもあるかもしれない。 Ωの発情期はもう、フェロモンを計測することで正確に始まりが分かる。 うちの学園では腕時計が教えてくれる。Ωも体質の一つって考えることもできる。 だから、Ωだから入れない学校があるのもΩに対する偏見だ。 俺たちが変えていかないといけないって思ってる」 木嶋先生は優しく語りかけてくれる。 「葉山くんがαを避けていること、保健室の先生たちも心配してる。 話せるときがきたら、いつでも相談にのる」 木嶋先生はそう言ってくれたけど、俺は何も言うことは出来なかった。
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