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年を明け、颯ちゃんと2人きりになりたくて早々に東京に戻り、颯ちゃんが住んでるマンションに私物を持ち込み同棲を始めたわたし。
「婚約破棄した元彼上司を見返すために婚約指輪を買いに行こうか」
初詣の後に颯ちゃんがわたしをティファニーに連れて行ってくれた。
そして、ルミダダイヤモンドいう真ん中にハート形の大き目のダイヤモンドの周りに小さいダイヤモンドがつらなってる綺麗な婚約指輪を買ってくれた。
「……婚約指輪ってあまりつける機会ないのに45万円は高くない?」
「高くない。給料3ヶ月っていうからそれより高いのにしたいけどないからこれにする。ネックレスでもつけるか萌花、元彼上司に見せびらかせ」
銀座にあるショップを出て歩いていると、仕事関係でお世話になってる上得意先の松中工務店の斎藤さんにばったり会った。
「桐谷課長、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。桐谷課長、彼女さんとデートですか羨ましいです!!」
と颯ちゃんに挨拶をし、隣にいるわたしの方を見て驚いた顔をした。
「LIFE &Reluxの杉瀬さん!!課長の彼女、杉瀬さんなんですか!!」
いつもはスーパーゼネコンの設計士だからと威張り腐ってる斎藤さんなのに、颯ちゃんに対してぺこぺこしているのがおかしい。
「萌花が担当してるうちの設計士が斎藤か……。こいつ仕事が信用できないから担当者を変えよう」
「課長!!」
颯ちゃんと斎藤さんの関係がわからなくてわたしがキョトンとしていると、
「萌花、言ってなかったけれど、俺、松中工務店で高層マンション建築設計課の課長をしてる。LIFE &Reluxの内装デザイン部とは付き合いが長いから年明けに挨拶にいく。その時に、俺が婚約者だと周りに公言しよう」
颯ちゃんがうちの1番大きな取引先の課長だと知って驚き固まるわたし。
「萌花、仕事で何かあれば俺に言え。できる範囲で手を貸すから」
颯ちゃんはわたしにとって救世主でヒーロー。
そんな事を考えてたら元旦なのに突然雨が降り出した。
颯ちゃんがカバンから大き目の折りたたみ傘を出してさした。
「備えあれば憂いなし。俺、萌花の涙を止める傘になるから、何かあったら俺を頼って」
相合傘をさすわたしと颯汰ちゃん。
相合傘、愛愛傘、わたしと颯ちゃんが末永く2人幸せに仲良くいられる事をわたしは願った。
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