仮初め夫婦からお試し夫婦へ

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「総司さんが社長に就任したら離婚するから、わたしを専属にするのは辞めて欲しいんだけど。離婚した妻に大切な新規ホテルやリフォームで内装デザインを継続的に任せるとか普通無いでしょ?」 リビングのソファーまで行き、総司さんに近づくと、総司さんは経済新聞を読むのを辞めて立ち上がり、わたしの真ん前までやってきて真剣な表情でわたしを見てきた。 「俺は離婚するつもりは無い。だから離婚しなければいい話だろ。離婚したら愛里の仕事に関して支障が出るだろうな。うちの系列の仕事はもちろんの事、他のクライアントのプリンセスホテルグループの社長と離婚したらインテリアプランナーと愛里に対してマイナスのイメージを持ちそうだ」 結婚を承諾した時も、 『貴方が今度請け負ううちの仕事、貴方が粗相をしでかしたなどの理由をつけてインテリアデザインを他社に委託しましょうか……。そんな事をしたら、貴方が今まで築いた実績と地位は水の泡になりますね』 と、総司さんはわたしを脅して結婚を迫ってきた。 わたしは総司さんが社長に就任するまでと思い結婚を承諾したのに、総司さんはわたしとはなから離婚する気がなかったようだった。 離婚するとわたしが今まで築いてきたインテリアプランナーとしての信頼を失う気がし悪魔のような総司さんと仮面夫婦として結婚生活を続けていくべきかと思いつつも、今すぐにでも離婚して総司さんから離れたいと思うわたしがいた。
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