Episode 1

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 志馬はひどく混乱していた。ここは警察署だ。宗教団体の集会所ではない。日夜、犯罪と向き合い、地域住民の安全の為に、身を粉にして働く──え、オーラ? 「明智君によると、オーラというのは、その時々の感情によって色が変わるそうだね」 「え……あ、はい……」  いやなに答えてんだ俺。これじゃ「自分オーラ見えます」と宣言してるようなものじゃないか。 「私がこの第5係を立ち上げたのはね、犯罪が起きる前に、犯罪を止めたいからなんだ」  久我警部補が第5係を立ち上げた?  犯罪を止めたい?  どこから突っ込めばいいんだ。  え、オーラ? 「さっきも話した通り、その時々の感情によってオーラの色は変化するだろう? 我々の使命は、オーラを視て犯罪予備軍を炙り出す事だ」 「………へ?」 「そんな非科学的なことを警察がやるのかって顔だな」 「えっ、あっ、いや……」 「私は明智君の研究に絶対的な信頼を置いている。何を馬鹿な事を、と由緒ある学会では歯牙にもかけられていないがね!」  いやそこ、威張るとこじゃない……。 「だが、早い段階で犯罪予備軍を炙り出せれば、痛ましい事件は減ると思わないか?」 「そ……それは、まあ……」 「だからこそ私は、親戚の七光りを最大限に利用し、この第5係を立ち上げたのだ!」  この人、威張るとこ間違ってる……。
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