第二食・―メインディッシュ―

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 次に目が覚めた時、主人が厨房に立っていた。  赤く染まったこの場所では不釣り合いな程に洗練された姿で、目が覚めたのを確認したのかにやりと笑った。  ――美味かった。ご馳走だった。ありがとう。  それだけ告げると、つかつかと歩み寄り、両の瞳を愛で始める。  ――嗚呼だけど、デザートも食べたい気分だ。  それだけ。  たったそれだけで、次にナニを所望されているのかを理解する。  ぞくりと、全身で身震いする。  見えなければ、どう料理する?  否。  主人が欲しがっている。  空腹を抱え、食べたがっている。  どんなに無理難題でも、それに応えて昇華させるのは、料理人としての腕の見せ所だ。  そのためならば、ナニを差し出しても惜しくはないのだから、仕方ない。  日付けを見る。  覚醒までかなりの時間を要したようだ。  急がねばならない。  瞳を取り出すならば、見えなくなる以上感覚だけでの調理となる。  パルフェの飾り付けにしよう。下ごしらえをしておいて、仕上げれば良い。
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