赤い口紅の女

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赤い口紅の女

今日はよく行くバーに行こう。 彼女も来るだろうか。 彼女は、いつも真っ赤な口紅をつけて、 カウンターの右端に座る。 今日もいるだろうか。 俺は書類をまとめ、デスクを綺麗にして、 帰りの支度を終えた。 今日は金曜。 他の社員も既に帰宅している。 俺は会社を出て軽い足取りでバーに向かう。 重いドアを開ける。 カラン コロン ドアの先には薄暗くネオン色の光で照らされた バーの店員がグラスを磨いている。 "いらっしゃい" 「いつものお願い」 俺のいつものはウイスキーのロック。 俺は右端の席を確認した。 いた。 今日こそは 俺は彼女に話しかけた。 「隣に座ってもいい?」 彼女は大きな瞳で俺を見て軽く頷いた。 「よく、来るの?」 "ええ。あなたもでしょう?" 「気づいてたんだ」 彼女はカクテルを飲んでいた。 赤い口紅をグラスにつけ、 とろけるような表情で少しずつ飲む。 俺はそれを見て無償にムラッとしてしまった。 "あんまり見ないで。恥ずかしい。" 彼女は顔を赤らめた。 1時間ほど会話をした。 「赤い口紅がさ、よく似合うなって思って」 "好きなの。赤い色" 「よかったら、連絡先の交換でもしない?」 "正直ね。いいわよ" 彼女の細い指が突然僕の頬に触れた。 "キスしていい?" 答える間も無く、 彼女の柔らかな唇が俺の口に触れて、 舌がぬるりと入ってきた。 俺は突然のことでゾワっと鳥肌が立ち、 舌で精一杯答えた。 その瞬間、 フワっと意識が遠のいた。 ムクムクとソリ立っていた俺のアレの感覚だけが 残り、 俺はその場に倒れこんだ。
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