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翌朝、マリーが急にバイトを紹介してくれると言った。
朝食を食べながら詳しい話を聞いた。
「うちのお客さんでね、キャバクラのママがいるの。
音をキャバクラで働かせるのはどうかと思ったんだけど、普通のとこで働いても、お尻触られて、手を握られて…でしょ?それなら、バイト料も高いし、お店の子はちゃんと守られているから安心だしね。そこはきちんとしてる店だし、お客様も割と優等生のお客様が多いし、お尻触られたとか、聞いた事ないしね。逆に安全だと思うの。」
考える顔で、音は停止した。
それを見たマリーは遠慮気味に聞いた。
「やっぱり嫌よね?いいの、うん。断って来るわ。」
慌てて言うマリーに音はストップをかける。
「違うの。凄く有難い。やってみたい。ただ……出来るかな?お酒とか作るんでしょ?作った事ないしね…。あと、飲めないよ?サワー3杯しか飲んだ事ない、最高で。飲めないと駄目でしょう?」
「ううん。お酒も飲めないって話してあるし、この仕事初めてって伝えてある。何でも初めてはあるから、ちゃんと教えてくれるって。
やる気あるなら、私がお店の前に一緒に行って紹介するけど、どうする?」
「行く!やる。頑張りたい!マリーに迷惑掛けないように頑張る。お願いします。」
「うん。あの店のママ、凄くいい人だし、お店の子も何人かうちに来てくれるの。良い子だから、フォローしてくれるわ。ルームメイトって話してあるし、遠縁って事でね?」
「遠縁…うん。分かった。ありがとう、マリー。」
昨日と違う満面の笑顔にマリーも安心した。
本当に落ち込んでいたから…。
(今の音には、打ちこめて頑張れる自分の居場所が必要よね…。)
許嫁がとんでもない男だなと思っていた。
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