音の…願い

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音の…願い

律の結婚式に出るということは、当然、奏にも颯にも会うという事だ。 でも、まさか彼女に会うとは考えてもいなかった。 一時避難したロビーのお手洗いで、洗面所にいたら、後ろの個室のドアが開き、颯の彼女が出て来た。 私を見て少し嫌な顔で笑う。 「お久し振りです。お元気そうですね?」 「ええ、あなたも。」 笑顔で言い、正面を向く。 「律さん、おめでとうございます。私も一応、端ですけど参加です。」 「ありがとうございます。」 「美味しいお料理出るみたいで、凄く楽しみ何ですけど…お腹に子供がいるからお酒が飲めないのが残念ですぅ。」 音が停止したのを嬉しそうに、見ている。 鏡に映っていて、すぐに音も笑う。 「そうですか。おめでとうございます。じゃあ、お先に失礼します。」 お手洗いを出てマリーと合流し、隠してもらうようにロビーを出た。 「やっぱりロビーは危ないね。親戚がウジャウジャいる。」 音が言うと、マリーは笑いながら、 「ずっとトイレでもいいわよ?呼んであげるから。」 と、言う。 「ううん、お手洗いは嫌。もう行かない…。」 音が言うと、マリーは不思議な顔をした。
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