音の…願い

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恥ずかしいのと、衝撃とで頭はパニックで、されるがまま颯に身を任せた。 初めてひとつになれると思った瞬間に、颯が辞めそうになり、痛みを堪えて夢中で口を出た言葉が、 「初めてじゃないから気にしないで。」 と、言った後で初めてですと、白状してる様なものじゃないのと、焦ったけど、すぐにその考えは無用だと分かる。 颯が入って来たから…。 痛みと哀しみと嬉しさで涙が出た。 子供の頃からの願いがひとつ叶った。 そうしたら欲が出た。 もう一つ叶えたくなった。 だから誘った。 果てては横になる颯を、酔いが醒めたら終わってしまうから、またテキーラの入ったワインを飲ませて、誰にも言った事のない言葉を耳元で囁いた。 (これで、本当に終わり。) そう思えば、いくらでも誘えた。 何度体を重ねても、愛していると言われても、自分に言われている気はしなかった。 朝になれば、颯は帰る、彼女の所に…。 抱かれれば抱かれるほど虚しい。 それでも求められれば嬉しくて、求め返す。 朝になる前に、服を着て、テーブルにメモを置いて18の誕生日に貰った指輪をその上に置いた。 良く分からないけど、シャワーを浴びてる間に颯が起きるとなんだか困るし、 全て流れてしまう気がして、そのまま帰る事にした。 結婚式場のホテルだけあって、タクシーは停車していた。 マリーの待つホテルまで何とか帰り着き、部屋に入ると、ベッドに倒れ込んだ。
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