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13日前、白石蕗
高原 颯は、許嫁の先日のドタキャンに少し驚いた。
連絡が後から来ること事態、初めてだった。
具合が悪いという返信に、心配して朝メールしたが既読は付かなかった。
気になって白蕗(はくぶき)コーポレーションの会社に早目に着いて、いつもいる自分のフロアから上のフロアへ出向いた。
白蕗は機械産業の会社だったが、現社長が同じ事をしていては危険だと、様々な分野に手を広げ、成功していた。
長男の白石蕗 律(しろつわぶき りつ)さんは、俺よりも二つ上で、直ぐにITの時代だと社長に進言し、IT部門を立ち上げてその部署を大きくした。
今やIT部門は我が社の期待の部署だ。
そこに配属されているのが俺の親友で白石蕗の次男、奏(そう)だ。
許嫁である音の兄。
奏はいつも早く来ているから、多分いるだろうと思った。
大事な話もある。親友には先に話したい。
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