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音の過去
マリーさんが寝ている間に、近所の散策をした。
コンビニ、スーパー、街の中の複雑な場所に立つマンションの三階だった。
買い物をして、迷子になると困るから、それ以上は先に行かずに、
外で時間を潰してマリーさんのマンションに帰った。
静かにドアを開けると、玄関の上り口で腰に手を当てて、マリーさんが立っていた。
「あ、おはようございます。ただいまです。」
と、言いながらドアを閉めると、怒られた。
「あのね?外に行くならメモくらい書く!心配するでしょ?
昨夜は寝たまま連れて来られて、道なんか分かんないでしょ?」
「すみません。少し、そこのスーパーで買い物を。荷物ほとんど置いて来たので。心配してくれてありがとうございます。」
マリーさんは私を抱きしめる。
「もう!いい子!こんな妹、欲しかったわぁ…。」
「マリーさん…苦しい……。」
「ああ、ごめんね?お昼は食べた?」
「はい。」
煩くするのが気になり、パンを買い、近くの小さな公園で食べたのだ。
「部屋、片付けの途中なの。手伝って。」
「はい!ありがとうございます。」
物置きになっているという、部屋の片付けを二人で始めた。
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