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⁂ 出会い ⁂
「やめて下さい!」
通りの真ん中で甲高い少女の声がする
怯えた少女の声だ。
この街にはろくでもないゴロツキが、多い事は知っている。
獣人族よりもむしろ人間の方がそんなのが多くて、
とんだ恥さらしだ。
体格のいい数人に囲まれ、壁ぎわに追い込まれた細い体が
強引に逃げようとして、肩を掴まれた。
反射的に抵抗した体が、壁にぶつけられる。
それだけでその少女は逃げる気も失せ、へなへなと
座り込んでしまった。
「やめろ」
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