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さて、今日は何をしましょうか。
図書室をぐるりと見回す。
そして、ちょっと殺風景ではないかと気が付く。
入口のそばの低い棚の上に、何か本とPOPを展示すれば、雰囲気作りにいいのではないか。
この近くは緑豊かだ。雑木林もあるし、草も芽吹いている。植物の図鑑や春の設定の絵本などを紹介することにする。
カウンターの内側に、使っていない、ブックエンドがある。それを少し倒して、表紙を寝かせるようにして、立てかける。「面出し」という展示だ。これは、子ども図書館でもしている。字だけの背表紙より、表紙を見せた方が、アピール度が断然高くなる。
棚をゆっくりと回り、春らしい本をピックアップする。
とたんに磁気が強くなる。
わかった、わかった。
みんな、紹介してほしいのはわかるけど、今日は春の本ね。
写真を見て、草の名前がわかる植物図鑑に……、物語の棚から「つるばら村のパンやさん」「のはらクラブのこどもたち」、絵本の棚から「ばばばあちゃんのよもぎだんご」「たんぽぽ」
それらの本を抱えて持ってくる。
用意しておいた、面出しのスタンドに置く。
それだけでは、何かさびしい感じがする。
準備室に、何かないかのぞいてみる。
そこは、ほとんどが古い蔵書か、郷土資料しかおいてない。
すみに、色画用紙の切れ端が入った段ボール箱をみつける。
カウンターに戻り、探してみると、赤いギンガムチェックの布がみつかった。
お花紙も色紙もある。私はその紙を使って、小ぶりの花を7個ほど作った。
棚にギンガムチェックの布を敷き、スタンドをおく。本をセットする。前面に作った花をおく。まだ、何か足らない。そして、特集コーナーの表題、POPがないことに、気付く。
私は色画用紙をA5版ほどの大きさに切ると、マーカーで「春の野山でおさんぽしよう!」と書く。
裏に段ボールをはって、看板のようにして、立てかけた。
少し後ろに下がって、眺める。
うん。初めてのコーナー作りにしては、いいんじゃない? と一人で悦に入った。
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