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「い、いなくなっちゃった」
「うん。前もあったんだ。途中で友明が来た時だったよ。友明は見えてないみたいだったけど」
「ふぅん・・・」
確かにささら川で会った時、友明や可奈子、真理も見えていないようだった。
「あ!亜子!」
「友明だ」
良太が私の背後に向かって、胸の前で小さく手を振る。
「わ、私、今日は帰る」
良太が「え?どうして?」と言ったと同時に、友明も坂道を掛け降りる私に「だからー!逃げるなってー!」と叫んでいた。
私はそんな二人を振り返る事もなく、また逃げてしまったのだった。
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