81人が本棚に入れています
本棚に追加
二つ目の鳥居まで来た所で、後ろを確認する。
「よ、良かった・・・」
耳を済ましても、風で葉が擦れる音と、蝉の鳴き声しかしない。
あの奇妙なカラカラという音は聞こえなかった。
「ホームランバー・・・」
せっかく買ったのに、殆ど食べられなかった。
今となっては残念だが、さっきの状況では仕方無い。
私はそのまま、拝殿の賽銭箱へと上がる階段に腰掛け、息を整えた。
森に囲まれたこの場所は、人の声は無く、木漏れ日が地面をキラキラとさせる。
歴史も古いらしく、大きな御神木はあるが小さな神社だ。
人に会いにくいと言う点ではお気に入りだが、夕方になると蚊が多くなるので注意が必要なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!