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「タケちゃん」
「何だい、また来たのか」
座ったままウトウトとしていたタケちゃんが、少しめんどくさそうに言った。
「これ、ほら。もう一本貰えるよね」
「あ?・・・あぁ、本当だ。そこから持っていきな」
眠いところを声掛けたせいか、いつもより不機嫌だ。
「さっさと閉めるんだよ」
釘を指すように言ってくる。
「わかってるって。えっと━・・・あった。はい、閉めた」
ガラス戸越しに探してから、サッと取って閉めた。
「はいよ、えらいえらい」
そう言ってタケちゃんはそのまま目を閉じてしまった。
余程眠かったのだろうか。
ベンチでホームランバーを食べている間も、タケちゃんは、ゆらゆらと体を前後に揺らしながら眠っていた。
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