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「ま、また!!」
バランスを崩した体を支えようと、咄嗟に後ろについた手は、尖った川の石に刺さってしまった。
「痛っ!」
私が叫ぶと、何事かと友明たちが走ってきた。
「何かいるのか?猪?」
私の視線の先を見るも、誰も気が付いていないのか全く驚いている様子がない。
「そこに居るよ!ほら、頭抑えてて・・・!」
「は?おい、良太は見つけたか?」
私の隣で、友明が良太に聞くも、「ううん」と首を横に振った。
「気味悪いこと言うなよ。夏に川で見えないものが見えるとか、ろくなもんじゃねーよ」
友明がそう言うと、真理も可奈子も「怖い」と今にも泣き出しそうになった。
「もう行こうぜ」
見かねた友明は、三人を連れて帰ってしまった。
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