群青の空

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群青の空

開けっぱなしの窓から降り注ぐ朝陽が、夏の朝を知らせる。 「亜子ちゃーん、遅れるよ。ほら、おにぎり食べて行っておいで」 階段の下から、おばあちゃんがいつものように寝坊助の私を呼ぶ声が聞こえた。 「はぁい」 布団はそのまま、お腹に掛けていたタオルをぽいっと置き、蚊除けの網である蚊帳(かや)から這い出て部屋を出た。
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