群青の空

1/10
79人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ

群青の空

開けっぱなしの窓から降り注ぐ朝陽が、夏の朝を知らせる。 「亜子ちゃーん、遅れるよ。ほら、おにぎり食べて行っておいで」 階段の下から、おばあちゃんがいつものように寝坊助の私を呼ぶ声が聞こえた。 「はぁい」 布団はそのまま、お腹に掛けていたタオルをぽいっと置き、蚊除けの網である蚊帳(かや)から這い出て部屋を出た。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!