友明

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友明

「これ、りょうとく神社って読むんだ・・・」 夏の鎮守の森は、他の季節にはない生命の力強さを感じる。 きっとそれは、虫たちが鳴いたり飛んだり跳ねたりしているからだけではない。 木々の葉が色濃く輝き、青い香りを森中に放つ。 そんな、夏の森の匂いを胸いっぱいに吸い込み、鳥居に掲げられた額の『陵徳神社』の文字を見上げる。 おばあちゃんが子供の頃からあったのだから、この年期の入りようにも納得だ。 ゴミなどは無いものの、あちらこちらに枯れ葉が落ち、手入れのされていない草木が自由に枝葉を伸ばしまくっている。 「うぇ・・・刺されてる」 ふくらはぎをボリボリと掻きながら鳥居をくぐった。
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