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「ねえ、ずっと好きだったんです」
「うん」
「俺はただのファンで、ずっと好きで、憧れてた……パーティーでまた会えて、いっぱい喋って、一緒のベッドで寝てさ。もしかして手が届くかもって思っちゃってから、俺、ずっといっぱいいっぱいで」
「そうなの?」
だとしたら、本当に憎らしいことだ。
「うん。だから、嬉しい」
「……そう」
彼の腕の中で言いあぐねているのは、ほんの簡単な一言なのだけど。
「俺も、だよ」
結局口にできたのは、曖昧な同意だけ。
それだけのことで、藤丸はにぱっと眩しい笑みを弾けさせて、その頬を寄せてくる。
睫毛が絡むくらいの距離で見つめ合ううちに、また、唇が触れ合った。
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