今度は両家で食事会をすることになりました。

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酔いが回ってきたのか嬰慈が饒舌になり始めた。 如何に咲夜を小さいときから育ててきたか。 如何に咲夜が賢いか。 如何に咲夜が可愛いか。 如何に咲夜が良い子なのか。 を長々と喋っている。 鷲夜は「あ~、始まったよ」っていう表情を一瞬見せ、然り気無く巻き込まれないように距離を置いている。 咲夜は「お祖父様。恥ずかしいので止めてください」と顔を赤くして止めようとしている。 安定の可愛らしさ、、、ごちそうさまです。 鷲夜と咲夜の両親は「すまないね。少しだけ付き合ってあげてほしい」と小声で耳打ちしてきた。 まぁ、嬰慈にとって目に入れても痛くない可愛い孫を取られるのだからムリもないかな。という事で「うん。うん。」と相槌を打っている。たまに質問も交えながら。 そして、暫くたった頃、完全に酔いが回ってしまったようだ。今度は「お嫁に行ってしまう。なかなか会えない。寂しい」と言って少し泣きそうだ。マジ泣きしてるような気がしなくもない。 理事長の威厳が旅に出たようです。誰か連れ戻して~と現実逃避している場合でもない。 何か段々と尋常じゃないくらい嘆き悲しみ始めてる嬰慈。 「その辺にしとけって親父。」と呆れながら止めようとしている桜刃親之。 「お義父様、、、」と背中を優しく撫でる桜刃優。 うわぁ、、、と完全に引いてる鷲夜と俺の両親。 「お祖父様。皆が困ってしまいます。」と咲夜がワタワタとしており、困り果てた顔をしている。そして、俺に縋るような眼差しを向ける咲夜。 フムフム。と頷いて暫し考える俺。 まぁ、答えはもう出てるんだけどね。 *
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