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嬰慈も咲夜と離れたくない。もちろん、俺もだ。
絶対に離れたくないし、幸いにも俺は次男で家を継がなくても問題ない。これほど次男という立場に感謝したことはないね。
少しわざとらしく咳払いをして「それなら俺が婿になります。」と迷いもなく言い切ってみせた。
両親に至っては口から副菜を落としそうになり、咲夜の両親は飲み物を口から軽く吹き出して咳き込んだ。鷲夜は面白そうに口元を吊り上げ、咲夜は目を見開いて固まっている。あの嬰慈ですらも箸を落とし固まっている。
異論は認めねぇという意味を込めて「これでいつでも会えますね!」と言って王子様スマイルを浮かべて見せた。
その意味を理解してか、嬰慈がニヤリと笑い「お前、気に入った!」と言って俺と暑い握手を交わした。
両親はお前がそれで構わないなら良い。という事でOKを貰った。咲夜の両親もお互いが幸せになるなら反対しません。らしい。
その後、話の流れで結婚後、次期理事長になることが決まった。鷲夜は両親の仕事を継ぐようだ。
咲夜は本当にそれで良いのかと聞いてきたので「俺も咲夜と離れたくない。嬰慈さんも咲夜となかなか会えなくなるのが悲しい。ならば、両方が幸せに暮らせる方法を提案すれば良い」と頭を撫でながら笑みを向けると顔を赤くして嬉しそうに微笑んだ。
何はともあれ無事に食事会が終了して良かった。
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