星のパラソル

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星のパラソル

 『星のパラソル計画』の提唱から30年あまりが経過した。  計画は着々と進んでいた。発案者であった花村佑樹は病で 志半ば(こころざしなかば)で亡くなってしまったが、その遺志を 継ぐものがいた。  花村の娘、花村瑠奈である。父の計画を受け継ぎ、壮大なプロジェクトの 一員として日夜奮闘していた。  世界中の人達が集まり、地球を救わんと動いている。それこそまさに 『星のパラソル計画』の理想の形であった。 「お父さん、待っててね。星のパラソル計画は必ず成功させる。 そして未来のこどもたちに委ねていくわ。お父さんがしてくれたように」  立派な科学者となった瑠奈は、天国の父に改めて誓った。 宇宙(そら)は瑠奈の言葉に応えるように、今晩も星を輝かせている。 了
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