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神社
4月の新学期、私は3年3組の教室にいた。
教室には新しい匂いでいっぱいだ。
新しい教室。
新しい担任の先生。
新しいクラスメイト。
自己紹介をして、新しい時間割表と沢山のお手紙をもらって、あっと言う前に下校の時間になってしまう。
帰りの会の時になっても、私はワクワクした気持ちが抑えられず椅子に座りながら足を前後にばたつかせていた。
「ふぅちゃん一緒に帰ろう」
声をかけてくれた仲良しのみきちゃんはまた同じクラス。
同じクラスになれなかった仲良しの子もいたけれど、放課後になればそんな事は関係なく遊べるし全然気にならなかった。
「じゃあね〜〜!お昼食べたらここでね!!」
私達はいつもの様に神社の前で別れて、それぞれ自分達の家へと帰って行く。
私達の遊び場は家の近くの神社だった。
遊具もないその場所で私達がやる事と言えば、隠れんぼやおにごっこ、だるまさんがころんだなど、道具を使わなくてもいい遊びしかなかったのに、遊具などのある公園よりも、この神社を好んで遊んでいた。
理由は分からない。
でも、神社は当たり前の様に私達の居場所になっていた。
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