ヨーグルトの思い出

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今思えば、結果は目に見えていた。 ぽっと出の奴が、経験値が高く、数々の激戦を繰り広げてきた漢たちに勝てるわけがなかった。 いとも簡単に負けてしまった。 給食で沢山飲むのは諦めざるを得ないと思い、それ以降参加しないと決めた。 牛乳にたどり着くまでが険しすぎる。 余談だが、牛乳を飲みたい人がいないとき、七つから九つも飲んだ猛者もいた。 腹がすぐぴーぴーになる私は想像しただけでトイレに駆け込みたくなる。 ある日のこと。家に帰って冷蔵庫を開けると、牛乳があった。いつもはその隣の麦茶を飲むが、今日は牛乳だ。 ……ん? パックを持ってすぐ、違和感を感じた。 パックのジュースを持つと普通液体を感じるが、その牛乳パックは違う。 弾力があるのだ。 『腐った……乳……固ま……』 私はあの情報を思い出した。
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