赤くない

1/1
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
深い森の中なのに、その場所だけぽっかり空間が空いていた。 不思議とその場所だけ木が生えていないのだ。 そのため、暖かい日差しがふりそそぎ、色とりどりの花が咲き乱れている。 空間の中央には少女が眠っている。 白い口髭を生やした小さい老人が言う。 「さぁ王子、白雪姫に目覚めのキッスを」 王子は老人に促され、眠る白雪姫に近づく。 夜の闇のような黒い髪 雪のような白い肌 そして、 「姫、顔色悪っ?!」 血の気の失せた 紫色の唇 「王子、白雪姫は死んでなどおりません。 魔女の呪いで眠っているだけです。 王子?!どこへ行くのですか?! 本当に死んでないんですよ?!」 end
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!