運命の人

大学生

『綾ちゃん、こっちこっち』

繁華街がある駅での待ち合わせ

手を振る真琴を見て、驚いた

痩せたし、顔色悪い

『真琴、久しぶり
ランチ行こう』

ちゃんと食べてもらわないと

『ここのピザ屋さん、窯で焼いているみたい』

ティッシュ配りの時、一度来たことが
あるみたい

『本当、おいしいね』

お互いの大学の話や、バイトの話をした

びっくりしたのが、夏休みになってから
スーパーのレジバイトも掛け持ちし
その合間に、教習所にも通っている

『マニュアルなんだよ
仮免までいったんだ』

得意気に笑う真琴

『真琴はオートマかと思った
意外だな』

『集中している時は、いろいろ考えなくて
いいんだ…』

真琴から、笑顔が消えた

私はとっくに食べ終わったけど
真琴のマルゲリータは、半分以上残っていた

『真琴、ちゃんと食べている？』