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『暑い屋外でティッシュ配りの後
クーラー効いているスーパーのレジでしょ?
夏バテだよね』
残ったピザは、私が食べた
『どこか買い物行く?
この当たりだと…』
『買い物は、健太と行ったんだ
今日は、真琴とゆっくり話をしたい』
私の言葉に、全てを知っていると悟った真琴
『カラオケとかでいい?
個室なら、ゆっくり話ができるから』
真琴は黙ってうなづき、ピザ屋から程近い
カラオケに入った
微かにBGMが流れる部屋で、ドリンクバーから
飲み物を持ってきて、お互いに座った
『航平から、みんな聞いたよ』
私が言うと、俯き気味に座っている
真琴の手に、力が入った
『航平が悪い、100%悪い
真琴のこと、家政婦扱いして』
『家事をするのは、嫌じゃないんだよ
ご飯作って、おいしいって食べてもらえるし』
真琴は、航平に甘い
『航平くんにとって、私なんてもう
どうでもいい存在なんだと思う』
『そんなことない!
航平の言い分は、聞かないの?』
『もう…忘れたいんだ
何もかも、起こったことも、見たことも
航平くんのことも…』
うつむいたまま、涙をポロポロ溢した真琴を
思わず抱きしめた
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