大学生

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健太のアパートの玄関ドアを開けると 航平の靴があった 『おかえり、真琴ちゃんどうだった?』 健太が聞いてきたけど 本当に聞きたいのは、航平のはず 『ご飯も食べられなくて、いろいろ思い出すと 吐いちゃうんだって』 私の言葉に、顔色が変わった航平 『真琴、大丈夫なのか?』 『航平、あんたのせいでしょうが!』 航平にイライラしてきた 『真琴、全部忘れたいんだって 起こったことも、見たことも 航平、あんたのことも』 私の言葉に、顔面蒼白となって 何も言えなくなった航平 『綾、いろいろ悪かったな 健太、ありがとう……帰る』 航平は帰っていった 『航平、後悔しているよ』 多分、私が真琴と会っている間 健太が話を聞いていたみたい 『航平が全部悪いんだから、当たり前だよ 真琴はさ…航平のこと、悪く言わないんだ』 真琴は、もう自分は必要ないとか ネガティブになっていた そして、忘れたいって それって、航平のこと嫌いになれないから あんなことがあっても、嫌いになれない だから、苦しんでいるんだ
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