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「私やり直したいんです。至らない所は直します。言って下さい。どうか、もう一度、お願いします」綾香は深々と頭を下げながら人生で一番惨めな気分を味わっていた。しかし綾香は土下座も厭わない位の気持ちだった。
「一体何の話をしてるの? さっぱり分からないけど」安藤の声は相変わらず冷ややかだった。
「私、安藤さんに嫌われるような事をして来たと思います。改めます。どうかやり直させて下さい」ここまで来たからには綾香は必死だった。こんな所まで来て何も変わらなかったら、それこそもう会社にはいられないと綾香は考えていた。
目の前に座る安藤はカラカラとグラスを揺らしながら『面倒な子』とでも言いたそうな顔をしていた。
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