夏の日の紅い金魚

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そうして眺めているうちに、僕はそのままテーブルにつっ伏して、いつしか寝落ちしてしまっていたらしかった。 夏の宵の蒸し暑さに、窓を開けっぱなしで寝呆(ねほう)けていた僕は、 朝っぱらからうるさいくらいに鳴く蝉の声に起こされた。 「うーーん……」 勢いよく伸びをして、あくびをした後、 部屋に目をやった僕は、一瞬あれ?と思った。 部屋の中に、不自然な違和感があった。 「あれ、今なんか……」 もう一回、視線をやると、その先には、これが夢じゃなければ、 女の子が一人、ちんまりと正座していた。 「えっと……誰?」 僕は、目の前の見知らぬ女の子に、 我ながらまぬけな質問だと思いながら、そうたずねた。
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