夏の日の紅い金魚

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「あっ……と、ごめん。 その……悪かったよ。えっと……だから、もしよかったら、 君の名前を、教えてほしいんだけど…… そうしたら、僕も何か思い出すかもしれないし」 突然見せられた悲しげな表情にどう対応したらいいのかわからなくて、僕はひとつずつ言葉を選びながら、慎重にしゃべった。 すると、女の子は顔を上げて、 「だって、名前……まだ、付けてくれてないじゃない」 と、言った。 「え、付けてくれてないって……?」
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