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まっすぐに見つめる女の子にバツが悪くなり、
目をそらして、ふと洗面器に目を移してみた僕は、
そこにいるはずの金魚の姿がないことに気づいた。
「あれ……金魚は?」
と、僕は、ひとりごとのように口にした。
すると、
「ここだよ」
と、女の子が答えた。
「え、ここって?」
目の前の事態がよく飲み込めずに聞き返す僕に、
「だから、私が、その金魚だってば」
と、少女は言った──。
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