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赤い服の少女が僕の前に膝をつき合わせるようにして座り、
「あのね、よく聞いてね……」
と、切り出す。
「私、野村 咲は、ずっとあなたのことが好きだったの……。
高一の時に好きになって、そうして高校の3年間、ずっと片思いをしてた。
気持ちを伝えないとって思いながらも、そんなこと恥ずかしくてできなくて、
ただ、あなたと目が合うだけでもうれしくて、
そんな風に3年間は過ぎていってしまった……。
卒業する時には、せめて告白をって思ってたのに、
結局それもできないままで、
私は東京の大学に進学が決まって、
こっちの大学に入ったあなたとは、それっきり離れ離れになっちゃった……嫌んなっちゃうでしょ?
でもね、ずっとずっと好きだったんだよ……本当に、あなたのことが」
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