夏の日の紅い金魚

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金魚すくいなんて、何年ぶりだろう? 思い返せば、幼い頃にやったきりで、もう十年以上もやっていない気がした。 「金魚すくい、か……」 僕は、久しぶりにする子供じみたお遊びに、ついつまらなさそうにも呟いて、ちらりと店主の顔を窺った。 けれど、店主は相変わらずくしゃりとした人の良さげな笑みを浮かべているだけで、 僕のそんな呟きなど気にも留めていない風だった。 ふぅーっと僕はため息をついて、 水桶の中をのぞき込み、モナカをかまえた。
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