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アリエルはティアラの親友だが。そんなティアラに羨望と劣等感を抱き、いつしか妬みと恨み、憎悪を向けるようになっていた。
一番の理由がアシュレイだ。幼い少女の頃から、アリエルはアシュレイに恋い焦がれていた。ティアラは美しく、清楚可憐で清らかだった。誰からも愛され・好かれるティアラ。
そんな中で、アシュレイだけはティアラに魅了されることなく、凛としていたはずなのに!
アシュレイの場合は、魅了されるどころの話ではなかった。アシュレイがティアラを『愛している』と知ってしまったアリエルは、いよいよティアラを憎みに憎んだ。
だって、元より『報われぬ恋』なのに。かたや軍に生き・血に濡れる戦神。かたや穢れなき聖なる乙女。
血に濡れるアシュレイと、清らかなティアラが結ばれるはずがない。なのに、それを誰よりも一番理解しているアシュレイが、それでもティアラを愛している事実。
その事実が、アリエルの胸を張り裂けんばかりに苛み、よりいっそうティアラを憎ませた。
-男が絡むと、女の友情など脆いもの-
とは、誰が言った言葉か。だが、アリエルのティアラへの感情は〝嫉妬〟を通り越した〝憎悪〟である。
それだけ、アシュレイへの愛情が深い、と取れなくもないが……………。
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