始まりの終わりか、終わりの始まりか

8/12
前へ
/24ページ
次へ
 アリエルはティアラの親友だが。そんなティアラに羨望と劣等感を抱き、いつしか妬みと恨み、憎悪を向けるようになっていた。  一番の理由がアシュレイだ。幼い少女の頃から、アリエルはアシュレイに恋い焦がれていた。ティアラは美しく、清楚可憐で清らかだった。誰からも愛され・好かれるティアラ。  そんな中で、アシュレイだけはティアラに魅了されることなく、凛としていたはずなのに!  アシュレイの場合は、魅了されるどころの話ではなかった。アシュレイがティアラを『愛している』と知ってしまったアリエルは、いよいよティアラを憎みに憎んだ。  だって、元より『報われぬ恋』なのに。かたや(いくさ)に生き・血に濡れる戦神。かたや穢れなき聖なる乙女。  血に濡れるアシュレイと、清らかなティアラが結ばれるはずがない。なのに、それを誰よりも一番理解しているアシュレイが、それでもティアラを愛している事実。  その事実が、アリエルの胸を張り裂けんばかりに苛み、よりいっそうティアラを憎ませた。   -男が絡むと、女の友情など脆いもの-  とは、誰が言った言葉か。だが、アリエルのティアラへの感情は〝嫉妬〟を通り越した〝憎悪〟である。  それだけ、アシュレイへの愛情が深い、と取れなくもないが……………。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加