12人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、そんなアリエルの想いを知らぬティアラにとっては、未だにアリエルは〝大事な親友〟と言う位置付けにある。
アリエルが、よもや『自分を憎んでいる』なんて露ほども思ってはいない、想像すらしていないのだろう。………だが、それもそのはず………
-何故なら、ティアラはアシュレイの〝自分
への想い〟を知らないから-
接点らしい接点さえ持たぬアシュレイが、まさか自分に恋い焦がれているとは夢にも思ってもいるまい。………いや、アシュレイのティアラへの想いは〝恋情〟を超えた〝愛情〟レベルだ。
およそ〝住む世界が違う〟と言うのに。それとも、違うからこそ惹かれるのか。数多の戦を経て、血に塗れた自分と対極の位置にいる、清らかで穢れないティアラ。
女神の如き美貌と慈愛。触れることはおろか、想いを告げることさえ赦されない、とわかりきっているのに………。
血に濡れた手を持つアシュレイが、ティアラに触れたら、ティアラが穢れてしまう。
ティアラは『神に仕えし巫女』だ。そんな彼女を自分が穢すなど、もっての他だ。アシュレイ自身とて、そう理解している。
最初のコメントを投稿しよう!