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………………………………… ………………………… …………… 『あ。目が覚めた?』 え?ここ…………どこ? 場所はわからないけど 私を覗き込んでる人間はわかる。 エプロンをつけた真柴君だ。 『眠ってる間に済ませてあげようと思ったのになぁ。ま、いっか。』 済ませる? 何を……… 意識がはっきりしてくる ここは風呂場だ。 そして私は手足を縛られ 口にはガムテープが貼られている。 『ムー!ムグッ!ムゥー!!』 『ん?何をするかって? ハンバーグを作るのさ。君の大好物なんだろ?』 な、何言って…… 『あいにく、俺は牛も豚も鳥も食べれないから 肉は君の肉を使わせて貰うね? 君も大好物に生まれ変われて嬉しいだろ?』 パニックで とにかく体をばたつかせた。 『やっぱり食べるには愛着が沸かない人間に限るよ。 君が今日出会ったばかりの男の家にホイホイついてくる様な馬鹿で良かった。』 真柴君の手には小さめのトンカチが握られていた。 『知ってる?家畜はこうやって殺すんだよ。』 私が最期に聞いたセリフだった。
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