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需要と供給
『ねぇ彩
もしかして宇木くんとうまくいってないの?』
同僚の紫が心配そうな顔で尋ねてきた。
『いきなりごめんね…
この間、会社の近くのカフェで彩と宇木くん見かけて。』
宇木くんというのは私の彼氏で
同じ会社の営業部に所属している。
成績も良く
人当たりも良く
当然外見も良く
地味な私には不釣り合いもいいとこ。
『仕事帰りにお茶してただけだけど…
なんか変だった?』
『変っていうか……いつもあんな感じなの?
宇木くんって……』
『あんなって?』
私が聞き返したのと同じタイミングで、課長が
『おおい!三島企画の領収書預かったぞぉ!
担当だれだぁ?』
『はい。私です。』
すぐに立ち上がると
紫もパッと自分のデスクに帰って行った。
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