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ハンバーグの話 1
『なぁ、真柴。お前の趣味ってなに?』
『なんだよ急に。』
真柴は小さく笑って顔を上げた。
顔ちっせえ。
色白でくっきり二重。マッチ棒が乗りそうな睫毛。
顔のパーツの配置が絶妙。
完璧な美少年だ。
友人の真柴葵は服屋のマネキンみたいな奴。
『って言うか穂高。カレーが口の横についてる。』
クスッと笑われた。
『え?まじ?どこどこ。』
『逆だって。ちょっとじっとして。』
真柴の白い細い腕がスッと伸びてきて
思わずドキッとした。
いや。待て。
男相手に何をドキドキしてんだ。
『ん。とれた。』
『さ、サンキュー。』
『なにちょっと赤面してんの?』
上目遣いで笑う。
おい。そこらの女子より余裕で可愛い仕草ヤメロ。
しかも分かっててやってるからたちが悪い。
『てか、趣味だよ、趣味!
お前の趣味はなんだって話!』
『趣味かぁ……そうだなぁ。』
ちょっと考える仕草をとってから
『穂高の趣味はバイトだよね。』
『ちげえし!バイトが趣味なわけねーだろ!』
『そうなの?毎日バイトしてるから趣味なのかと思った。』
『貧乏なんだよ!悪かったな!』
『ははは。』
そんな感じではぐらかされて、昼休みは終わった。
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