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「あのさ、何故その時間に犯行を行う必要があったの。最初の犯人は死体が見つかる前提、ってあるなら夜中でもいいはず」
「それをわざわざ——」
『お前も気づいたか。普段休部の連絡をしない菊池先生が、わざわざ具合が悪いからと朝練をやめるか。甲子園も近いというのに』
そうだ。
そもそも部長が先生から休みの連絡を受け取ったこと自体おかしい。では、部長が先生を殺してそれを偽るために他の部員にその連絡をした、ということ?
泥沼推理。
「……あの、もし犯人が録音していたデータを流していたとか」
今まで黙り続けていた花形さんが口を開いた。
よく刑事ドラマでもあるように犯人が事前に録音していた先生の声を上手く組み合わせ、部長に連絡した。それなら死後でも構わない。
「けどそこまでして先生の死を偽る必要はどこにある。死体を発見されたい目的ならそこまでする必要はない」
『……お前らにここまで言っていいのかわからないが、検死では深夜の二時から半に掛けての短い間だ』
「はん。間違った推理とは言え、怪しいのは野球部なのは変わりない」
僕はもう思考が追い付いていなかった。
次々と浮上する事実に僕の頭は限界寸前。さらに深夜には死んでいたという事実。
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