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「なぁ、先生は人か?」
ふと新二は呟いた。
「少なくとも人だと思うヨ。鬼や化生の類じゃないのはわかっているヨ」
流石に菊池先生の件には矛盾が多すぎて頭が可笑しくなっている。
第二の一松と商店街に関しても同一犯なのか、それすらわからない。これでは推理しようもない。
学年最下位付近の二人がここまで頭を使うのは久し振りに見た。
「明日にでもクラスの連中らに聞いてみるか。何かしら情報ぐらいは知っているだろう」
『俺は野球部の連中にでも聞こう』
僕達は結局お手上げ状態となり、明日にすることにした。
〇 〇 〇 〇
翌日。
学校に登校した僕達は思い出したかのように、忘れていたそれを思い出した。事件など色々あり過ぎて忘れていたが、今日から三日間のテスト期間である。
新二とクルワはこのテストが最も重要なものであり、ここで成績を落としたら退学寸前とかなんとか。
一限目は国語。
メインは長文読解だが、漢字と穴埋め問題もある。新二は長文読解を捨て、漢字と穴埋め問題に注いだ。一方僕と太一は普段から国語の小テストはそれなりに点数を取れていたため、ある程度落としても問題はない。
二限目は化学。
元素記号と元素式を中心に出され、何と大学レベルの問題すら出た。流石に僕達ですらこの問題には苦しめられた。
十分休み——同じクラスの薬師寺千種と息抜き程度で、事件について話していた。
薬師寺君は学年トップの頭の良さで、クラス委員長も務めている。古典的な天才の風貌で、丸眼鏡を掛けている。
因みに眼鏡は伊達である。
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