エピソード1.リトルソング

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そんな華やかなホールのバックヤード。 鏡の前で、口紅を差している。 「今日も可愛く完成♪」 「客が来る前に、(そう)に挨拶♪」 琥珀色の大きな瞳をしばたかせて、メイクのチェックをする。 鏡に向かってにっこり微笑むと、燃えるような長い赤毛をなびかせて、バックヤードのドアを開ける。 リズミカルな音楽と、キラキラと輝くシャンデリアが押し寄せてくる。 まだ開店前なので、ホールでは見習いが掃除をしているくらいで他に人はいない。
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