無垢な光に寄り添うのは牙を隠した獣

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よし、行ったな…。 「…さっきから無言で気色の悪い視線向けるんじゃねえ…葛葉」 「雅くん良いなぁ…オジチャンもぶん殴られたい…(ぼそ)つか霙オジチャンで良いって言ってんのにー!篝くんは照れ屋さんだなぁ」 「心の声は心の中に閉まっとけ。気色悪さが増すから」 俺を壁の影から覗いていたのは、キッチン担当の葛葉 霙(くずは みぞれ)40代後半の中年だ。 さっきのピンク頭が掃除やらの雑務担当の鳳 雅(おおとり みやび)あれで20代前半なのだから世も末だな。 俺はここに来てまだ1ヶ月の…本来なら新米なのに執事長の代わりをやらされている。 この屋敷にはあと一人、ある意味問題児がいるんだが…
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