無垢な光に寄り添うのは牙を隠した獣

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「おんや?飛鳥くん、こんな所で寝ていたら知らずに踏まれるよ?」 「俺はわかった上で踏むけどな…」 「知ってる…この間、踏まれて内臓出るかと思った…足上げてるのは踏むぞって脅しだけだと思ってたら…」 「良いなぁ…」 「だから気色悪いっつーの…俺は遠慮なんてしない。こんな廊下で普通に寝てる奴が悪い。自業自得だ…まだそのまま寝てるようなら、もう一回踏んでやろうか?」 「いい…!起きる…!」 寝転がっていたぼんやりした男は俺の言葉に怯えたように立ち上がる。 こいつが最後の問題児、井野 飛鳥(いの あすか)20代前半の庭師だ。
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